恥ずかしながら、大学時代は遊び呆け卒業最小単位で卒業し、社会人時代は給与の良さと全国転勤に惹かれて風営法にかかる産業に従事してきました。
いっちょまえにビジネス書を読んだりもしてましたけれど、当然、真面目に大学でお勉強をしてきた人には遠く及ばないわけです。
結婚して会社を辞めて、離婚を決意して職場を探して、ようやく正社員として勤め始めたその職場でも、ホテルのマネージャー上がりの女上司からは、「ほんと教養のない馬鹿な子」と言われてきたんですね。
悔しかったです。
どうにかして『無教養な自分を捨てたい』『まともな教養のある人間になりたい』と思って手にしたのが、この本でした。
教養とは『自分の頭で考えられること』
「教養とは、人生におけるワクワクすること、面白いことや、楽しいことを増やすためのツールです」という一言に尽きると思います。
第1章 教養とは何か?より
この一言に出会った時、衝撃を受けました。
今まで教養をつけようと必死になっていたときは、全然ワクワクもしなければ面白くも楽しくもなかった。
教養があると自称している人間と接していても不快な思いしかしなかったんです。
さらに、出口さんは
教養のもう一つの本質は「自分の頭で考える」ことにあります。
第1章 教養とは何か?より
と書かれています。
感動しました。
リベラルアーツとは『人間を奴隷ではなく、自由人にする7つの学問』
人間を奴隷ではなく、自由人にする7つの学問というのがもともとの意味合い
(第2章 日本のリーダー層は勉強が足りない より)
もっと具体的にリベラルアーツを解説すると
一人前の人間がそなえておくべき教養のことで、「算術」「幾何」「天文学」「音楽」「文法学」「修辞学」「論理学」の七つの分野から成り立ちます。人間を奴隷ではなく、自由人にする七つの学問というのがもともとの意味合いで、日本語では「自由七科」とも言われます。
第2章 日本のリーダー層は勉強が足りない より
さらに、西洋のリーダー層の教養の深さについての文脈でこう書いています。
「広く、ある程度深い知識」を身につけているのは、リベラルアーツの伝統に則っているのです。
第2章 日本のリーダー層は勉強が足りない より
人間を奴隷ではなく、自由人にする七つの学問リベラルアーツ。
今まで自分が教養だと思い込んでいたものは、自分を誰かのお気に入りにするためだけのつまり奴隷化するための教養だったということです。
なんて情けない話なんでしょうか。
教養をつけるのに『遅い』ことはない
自分の頭で考えることが重要といわれても、今までそんな習慣なかったしもう歳も歳だし遅いに違いないと不安になりました。
出口さんは、そんな不安にもしっかり答えてくれています。
これまで自分の頭で考える努力をしてこなかったのなら、今夜からそのための努力を始める、それより他には方法がありません。きわめてシンプルな話ではありませんか。
第3章 出口流・知的生産の方法
なんて励まされる一言でしょうか。
第3章には、出口さん流の「自分の頭で考えるコツ」が書かれています。
その中でも、私が「これは自分に著しく欠けている」と思ったことはこれ。
「数字・ファクト・ロジック」で考える
これを踏まえないと詰めが甘くなります。
第3章 出口流・知的生産の方法
この一言を読んだ時、バッサリ切られた感がすごかったです。
かなり血飛沫出ました。
「詰めが甘い」ってよく言われるんです。
特に弱いのが「数字」。
数字を可視化するのがついつい面倒になってしまうんですよね。
これは自分を戒めなければならないです。
自分の頭で考える力をつけたい人におすすめ
私のように「どうも詰めが甘い」という人。
本を読んでも「読んだ内容が身についていない気がする」人。
上司に鼻で笑われていつか見返してやりたい人。
個人的には、子育てに悩むお母さんや進路に悩む受験生にもおすすめしたい本です。
読めば、きっと人生の見方が変わります。
出口さん素敵な本でした。
ありがとうございます。
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