「正しい方法で勉強する」
ただそれだけです。
勉強方法が間違っているから伸びないのです。(引用:陰山式 ぜったい成績が上がる学習法 はじめに より 太字強調はブログ著者によるもの
百ます計算で有名な陰山英男先生。
陰山式 ぜったい成績が上がる学習法では、成績が伸び悩んでいる子どもと親に対して「正しい勉強方法」を自らの経験とデータを元に解説しています。
陰山先生が実践してきた教育方法を家庭でも再現できるように、1から解説してあるのがこの本。
たとえば、
「百ます計算を始めたけれど、一向にタイムが伸びない」のは、やり方が間違っている可能性があります。
勉強は集中力をつける訓練です、百ます計算は簡単な問題に全力で取り組み、より速く・丁寧に解くことが目的。
子どもがほどよい緊張感を持って集中する環境を作っていますか?
「学校に言われた通り『学年×10分』の家庭学習をさせているのに全然身についていない気がする」のは、そもそもの『学年×10分』の勉強が間違い。
「この時間までやれば勉強したことにする」ではなく、あくまでも成果主義であるべき。
「この勉強範囲を何分間で終わらせる。終わったら『学年×10分』の勉強時間内でも勉強をやめていい」という形で、「短時間で成果を出させる」ことが集中力の訓練になります。
勉強のやり方に悩む親子はもちろん、大人の自学自習にも必ず役立つ「効率のいい勉強方法」が書かれています。
私たち親子は、この本を元に百ます計算を実践してきた結果、「親子で人生が変わった」と言っても過言ではない体験をしました。
宗教じみてると感じるかもしれませんが(笑)それくらい衝撃的な体験だったんです。
我が家が衝撃を受けた様子は、「小学校3・4年生の100ます計算の様子」カテゴリーにまとめてあります。
百ます計算をやり始めて感動的な変化をしたときの様子は「【百ます計算】1ヶ月で親子でいい変化が見られました」をご一読ください。
勉強とは、集中する練習である
集中とは、一定の時間でより多くの学習をすること
「勉強とは、集中する練習である」
(中略)
集中とは、一定の時間で、より多くの学習をすることです。
しかし、 時間を先に決めてしまうと、ダラダラと時間だけをかけることにつながりかね ませ ん。(引用:陰山式 ぜったい成績が上がる学習法 より)
大人にも、やる気になれば午前中に仕事が終わるのに「午後までが勤務時間だから」と、タバコ休憩を挟みながらダラダラ仕事をしている人っていますよね。
そういう人って、仕事ができなくて会社のお荷物のことが多いものですが、子どもも同じです。
陰山先生は、子どもの勉強の質は『勉強に費やした時間』ではなく『集中しているかどうか』で判断すべきとおっしゃっています。
また、集中のトレーニングとしての勉強の実践として3つのことを提唱していらっしゃいます。
- 一気にやって短時間で終わらせる
- 基礎基本はミスがなくなるまでやる
- 基本だからこそ全力で取り組む
(引用:陰山式 ぜったい成績が上がる学習法 より 一部ブログ著者により文章を変更しています)
子どもの学習で何より大切なことは
大人が仕事を効率化するのに大切なことを重なる
終了時間を考え、各勉強に必要な時間を割り振り、カウントダウンタイマーなどを使い、予定の時間内に終えるよう、可能な限り最高の速度で勉強を進める。
(引用:陰山式 ぜったい成績が上がる学習法 より 太字強調はブログ著者によるものです)
やるべき学習課題が終わる状況を予測し、予測に基づいてそれぞれの科目の計画を立て、計画が予定通り行われているか確認できる状態で実践する。
これってつまり、仕事の世界でいうPDCAサイクルを回すのと同じことですよね。
計画(Plan)・実行(do)・評価(Check)・改善(ACT)の4つの工程からできているPDCAサイクルは、「仕事をする上でつけておくべき基本的習慣」とも言われていること。
陰山先生が陰山式 ぜったい成績が上がる学習法でおっしゃっている『集中力をつけるための勉強』は、「PDCAサイクルを勉強を通じてつけること」感じました。
さらに、勉強の質についてもこのようにおっしゃっています。
「だいたいできている」というのは、実は「できていない」のと同じです。
速く、完璧にできてこそ「できた」と言える。
(引用:陰山式 ぜったい成績が上がる学習法 より 太字強調はブログ著者によるものです)
「だいたいできたと思っています」「マニュアル通りにできたと思います」という人って、どこか必ず抜けてますよね。
子どもの勉強も同じで、「だいたいできている」というのは「できていない」のと同じ扱いとのこと。
完璧にできて、速いことが求められます。
正直、この部分を読んだとき「なんて厳しいんだ」と思いました。
でも、速いだけでも完璧なだけでもダメなのは、仕事でよくわかってることなんですよね。
「子どもの頃からそんなに厳しくしなくても」と感じたこともありましたが、ここを譲ってしまうとせっかくの家庭学習が何の成果もなく終わってしまうように思います。
中盤からは陰山メソッドのやり方が事細かに
百ます計算・漢字・音読・先取り学習メソッド
実はここまで、陰山式 ぜったい成績が上がる学習法の「はじめに」と前半までの話しかしていないんです(苦笑)
中盤以降は、陰山メソッドのやり方が詳細に書かれています。
たとえば、家庭で気軽にできる百ます計算の正しいやり方として…
百ます計算を指導するときの注意点です。
まず、集中を高めるために100メートル競争のスタートのときのように、気迫を込めて「用意、スタート!」と号令します。そして、ときにはタイムの進行を告知しながら、全力で取り組むよう促します。子どもが解き終わったら、「1分23秒!」と素早く大きな声でタイムを知らせます。このようにタイムをしっかり言うことが、子どもの意欲を高めるのです。(引用:陰山式 ぜったい成績が上がる学習法 より)
家でやるとついつい、「はい、百ますやるよー」「はーい」のようにダラけた雰囲気になりがちですが、ダメなんです。それじゃ集中のトレーニングにならないし百ます計算の意味がないんです…。
他にも、小学生がつまづきやすいポイントを教科別(国語・算数・理科・社会)に解説してくださっています。
たとえば、子どもが嫌いな科目の筆頭(?)の算数については…
算数のスキルを高めることはそれほど難しくはありません。そのつまづきポイントの本質を知り、そこを克服すれば、子どもの学力は一気に伸びるのです。
(引用:陰山式 ぜったい成績が上がる学習法 より)
として、具体的なつまづきポイントと克服方法をあげてくださっています。
「なあんだ、小学生向けのポイントか」と思ってしまうかもしれませんが、中学生・高校生で成績不振の子どもが、実は小学生の勉強でつまづいていてそこから勉強に苦手意識を持つようになったというのはよくある話。(ビリギャルとかもそうですよね)
「小学生なら関係ないな」と思うのではなく、我が子の成績に思うところがあるなら、陰山式 ぜったい成績が上がる学習法巻末のチェックテストをやらせてみることをおすすめします。
巻末には我が子のレベルを測れるチェックテスト付き
百ます計算・漢字チェック・百割計算で実力をチェック
巻末には我が子の実力を測れるチェックテストがついてきます。
「よし!我が子にも百ます計算をやらせてみよう!」と意気込みたくなるんですが、ちょっと待ってください。
百ます計算がどれくらいできるのか、漢字をどこまで覚えているのかによって、やらせる問題も変わってくるからです。
ちなみに…百割計算は大人がやってもべっこり凹むくらい難しいので、子どもに「こんな問題やらせるなんてバカにしてるの?」と言われても、百ます計算(足し算・引き算・掛け算)からやらせることをオススメします。
陰山先生もおっしゃっていますが、成績に心配がある子どもの百ます計算のタイムは、親が思った以上に悪い結果になるものです。
我が家も最初にやらせたとき百ます足し算で5分以上(小学校低学年の「これはいけません」の参考タイムは3分以上)かかって、親の私はその場でショック死しそうでした…。
どれくらいのタイムが合格ラインで、どれくらいのタイムがNGラインなのかも巻末付録に書かれているので、安心です。
陰山式メソッドで親子の人生が変わったと思う
お金も時間も精神の余裕もないシンママ親子を救った本
私は間違った情報にまどわされて、親が子どもに負い目を感じることこそ大問題だと思っています。なぜなら、子どもを伸ばすのに一番大切なのは親の笑顔であり、親の負い目は、子どもの卑屈にしかねないからです。
(引用:陰山式 ぜったい成績が上がる学習法 はじめに より 太字強調はブログ著者によるもの)
『漢字のテストができなくて居残りさせられてたの…お母さん、遅くなってごめんなさい』
小学3年生だった娘が、涙ぐみながら学校から帰ってきたあの日。私は後悔と不甲斐なさでいっぱいでした。
「学校の勉強も満足に見てやれないなんて、私はなんてダメな親なんだろう…」
「収入も低いから、塾にも行かせてやれない」
「楽しみにしているピアノを辞めさせてまで、塾に行かせるのが正義なんだろうか…」
当時の私はシングルマザー、やっとの思いで手に入れた正社員事務職にしがみつくのに必死で、子どものことを後回しでした。
子どもが漢字を苦手にしているのも、繰り下がりの引き算が苦手で、テストを隠していたこともその時まで全く知らなかったのです。
「低学年のこんな初歩から落ちこぼれてしまって…この子はこれからどうやって生きていくんだろう…?」
子どもを後回しにしてきた後悔と、これからの不安で胸が押しつぶされそうでした。夜、寝入った子どもの頭を撫でながら泣き崩れたことも一度や二度ではありません。
そんなときに出会ったのが、陰山英男先生の陰山式 ぜったい成績が上がる学習法でした。
最初に引用した文章は、陰山式 ぜったい成績が上がる学習法の「はじめに」に書かれています。当時、この本を読んだ私はこの一文を読んで号泣しました。
「きっとこの本が、私たち親子を救ってくれるんだ」と感じたんです(ちょっと宗教じみてますが、それくらい追い込まれてたんですね(笑))
この本で得た知識を元に、百ます計算・漢字演習・先取り学習を実践してきた結果、うちの子どもは、学校の成績もプライベートでの態度も一変しました。
この本の出会いで、私たち親子がどれだけ救われたか数えきれないくらいです。
かつての私たち親子のように、学校の成績で思うところがある人は陰山式 ぜったい成績が上がる学習法が必ず役に立ちます。
最後に「陰山式 ぜったい成績が上がる学習法」の「はじめに」に書かれている『この本を利用するための注意』を箇条書きにしてご紹介します。
- 『必ず子どもの成績は上がる』と一点の曇りもなく信じること
- 子どもに実践問題に取り組ませる前に、巻末の「百ます計算」「百割計算」「漢字の書き取り」チェックテストを解かせること
- いつも笑顔で子どもに語りかけること。うまくいかないときも、注意するときも。
『きっとできる』と気楽な心で指導してあげること。
(陰山式 ぜったい成績が上がる学習法 はじめに より。箇条書きに直すにあたって、一部表現を直しました。太字もブログ著者によるものです。)
コメント
はじめまして(^_^)
子供の家庭学習について調べていてこのサイトにたどり着きました。
まだ読み始めたばかりですが、とても興味深く読ませて頂いてます。
質問なのですが、百ます計算を始めるにあたってぜったい成績が上がる学習法を購入しようと思ったんですが、絶版になったのか販売されていないようなんです。
もしそれに変わる陰山先生の書籍をご存知でしたら教えていただけたらと思います。
一応自分でも調べたのですが、色々あって混乱してしまいました(>_<)
もしわかりましたらよろしくお願いします。
はちみつさん
コメントに気づかずごめんなさい!1ヶ月以上も経ってしまいました…。
ええと…。もう別の本を購入されているかもしれませんが、こちらで…。
「ぜったい成績が上がる学習法」、電子版ではない紙の本が高騰しているのですね…。
これの代わりになる本は、
「学校でできること 家庭でできること 本当の学力をつける本 (文春文庫)」
中古で1円の文庫があります。2009年なので、ちょっと古いですが百ますのやり方は変わらないので…。
「「陰山メソッド」をはじめよう!: たった2週間で学力がぐんぐん伸びる魔法のメソッド (eduコミユニケーションMOOK) 」
こちらはムック。内容は「絶対成績があがる」より薄め(百ます計算以外の教材も扱っているので)なんですが、隂山メソッドの使い方やつまづきポイントの解説が載っているので、使いやすいかなぁと思います。
どちらも出版年月が古いので、図書館に行けば(絶対成績があがるもそうですが)あるかもしれないです!
[…] 私のレビュー⇨陰山式 ぜったい成績が上がる学習法を家庭学習のバイブルにしてよかった話 […]